電池
電池とは、電力をためておくことができる素子を指す。
電池の分類
- 化学電池 化学反応により電気を発生させる。
- 物理電池 光や熱を電気に変換させる。
化学電池
化学電池は一般に、正極、負極、電解液の3つにより構成されている。
一次電池
放電のみできる電池のこと。
電力を発生させる媒体とも言える。
二次電池
充放電できる電池のこと。
電力を蓄えられる媒体とも言える。
電池の名前は負極の物質に由来する場合が多い。
代表的なものとして、以下の電池が挙げられる。
- ニッケルカドミウム電池
- ニッケル水素電池
- リチウムイオン電池
- 鉛蓄電池
ニッケルカドミウム電池
電圧:1.2V
正極:オキシ水酸化ニッケル
負極:カドミウム
電解液:水酸化カリウム水溶液
容量が大きく、大電流を流すことができる。
電動工具の電源などに最適。
自己放電があるため、消費電力が小さく長時間使うような用途には向いていない。
アルカリ蓄電池とも。
大出力放電、低温特性に優れる。
電池を使い切らずに充電を繰り返すと使える容量が減っていくという、メモリ効果が大きいという特徴を持つ。
ニッケル水素電池
電圧:1.2V
正極:オキシ水酸化ニッケル
負極:水素吸蔵合金
電解液:水酸化カリウム水溶液
基本的にはニッケルカドミウム電池と同様である。
大電流出力に強く、自己放電が大きい。
電圧が0Vになるまで放電すると充電しても回復しない。
過充電には強い。
メモリ効果は少ない。
リチウムイオン電池
電圧:3.7V
正極:コバルト酸リチウム(\(Li_{1-x}CoO_2\))
負極:グラファイト(\(Li_xC_6\))
電解液:非水系有機電解液
1セルあたりの電圧は高いが、大電流の出力には向かない。
自己放電が小さく、メモリ効果はない。
過充電、過放電には弱いため、保護回路が必要となる。
鉛蓄電池
電圧:2V
正極:二酸化鉛
負極:鉛
電解液:希硫酸
大きな電流を取り出すことができ、メモリ効果がないという長所がある。
重い、電解液に希硫酸を使用しているため破損すると危険性があるというデメリットがある。
鉛蓄電池
全固体電池
全固体電池とは、正極と負極の間のイオン伝導を、固体の電解質が担う電池を指す。
液漏れの心配がないというメリットがある。
一次電池、二次電池ともにある。
電解質の電極との界面抵抗が高いため、高速充放電が難しいという問題が有る。
また、低温ではイオン伝導性が下がる場合が多い。
固体の電解質には行く種類か存在する。
- 無機系固体電解質 酸化物系や硫化物系などを用いる。
- 有機系固体電解質 高分子系や有機物系を用いる。
- ゲルポリマー系電解質 水分を含む電解質を指す。
- ドライポリマー系電解質 水分を含まない電解質を指す。
イオン伝導率がリチウムイオン電池よりも大きいのは硫化系のみ。
少し固形化するというかんじ。
性能はリチウムイオン電池とそこまで変わらない。
作りやすいのが特徴。
イオン伝導率が低い。
60度以上でないと動作しないことが多い。
固体電解質
物理電池
電池の性能指標
電池の性能を表す上での項目を以下に示す。
- 使用可能温度範囲
- 期待寿命
- 1セルあたりの電圧
- 充電方式
- 充電特性
- 出力密度
- エネルギー密度