鉛蓄電池
原理
材質
負極:\(Pb\)
正極:\(PbO_2\)
電解液:\(H_2SO_4\)
これは\(H^+\)と\(SO_4^{2-}\)に電離します。
放電
負極:\(Pb+SO_4^{2-} \to PbSO_4+2e^-\)
正極:\(PbO_2+SO_4^{2-}+2e^- \to PbSO_4+2H_2O\)
負極から正極に電子が流れる。
充電
負極:\(PbSO_4+2e^- \to Pb+SO_4^{2-}\)
正極:\(PbSO_4+2H_2O \to Pb_2+SO_4^{2-}+4H^++2e^-\)
正極から負極に電子が流れる。端的に言えば水の電気分解である。
余談
バッテリーはセルが直列につながることによって、特定の電圧まで上がっている。
鉛蓄電池の1セルあたりの電圧は2V(正確には2.2V)なので、自動車で使われている12Vのバッテリーは6セル直列に接続されている。
バッテリーが壊れる原因の一つとして過放電がある。
バッテリーには放電終止電圧というものが規定されており、それ以上に放電を行うと急激に電圧が低下するほか、放電できなくなってしまうなどの悪影響を及ぼす。
他にも放電した状態で放置すると、サルフェーションという現象が進み、容量が減ったり充電スピードが落ちたりする。
サルフェーションとは放電時にできた\(PbSO_4\)が結晶化してしまい、化学反応を起こさなくなるために起こる。
結晶が極板周りに付着すると接触面積が減ってしまう。
このように、鉛蓄電池は主に放電によって劣化する。
鉛蓄電池の放電終止電圧は1セルあたり1.75V程度。6セルだと10.5Vぐらい。
鉛蓄電池の利点としてあげられるのは、満充電にしておくことによる損失がないことである。
ニッケルカドミウム電池だとメモリー効果、リチウムイオン電池だと劣化が早まるなどの影響があるが、鉛蓄電池は殆どない。
よって、充電したままであるUPSなどに用いられる事が多い。